相続問題

年をとるといろんな面倒ごとが起こります。
相続問題もその一つと言えるでしょう。

わたしの両親は数年前に父親が亡くなり、母は健在です。
その母の財産をめぐってひと悶着ありそうなので、今からなんとなく憂うつです。

まず、両親の財産や兄弟(相続人)についてかんたんにご説明します。

わたしの兄弟

わたしは3人兄弟の真ん中です。
上が兄、下が妹です。

相続人は、この3人兄弟となります。
何も問題なければ法律では原則として、それぞれ1/3ずつ相続することになります。
すんなりそうなれば良いのですが、兄が色々要求をしてくるようになりました。

そもそもなんですけど、わたしと兄はあまり馬が合いません。
子どものころから兄は腕力が強く、上から押さえつけるようなところが多かったので、ことあるごとに反発していた覚えがあります。

わたしと妹はかなり仲が良いです。
わたしと妹だけで相続するのであれば、まったく問題なく事が運んだと思います。

つまり、問題は兄ということです。

両親から相続する財産について

相続する財産についてお話ししましょう。
両親から相続する財産は、土地と家、現金があります。

①母の現金:以下「A」とします:約8,400万円

②土地と家:以下「B」とします:約4,800万円(2/3は父名義、1/3は母名義)←父と母が住んでいた

③土地と家:以下「C」とします:約2,100万円←祖父母が住んでいた(全て母名義)

④父の現金:以下「D」とします:約200万円→妹に相続済み

以前から両親は、Bは兄に相続し、Cは次男であるわたしに相続すると言っていました。
Bの父名義の2/3はすでに父が亡くなった時に兄に相続済みです。
Dは父が亡くなった時に、土地と家をもらえない妹に相続することになりました。

ここまではもともと納得していたので問題はありません。

兄家族と父母の同居

父が亡くなる1年ほど前から、兄家族が父母と同居することになりました。

兄夫婦には子どもが3人(長男・長女・次男)います。
一番上の子はすでに会社勤めをして独立しています。

同居する時期には、兄は国外に単身赴任していました。
つまり、兄のお嫁さんと下の子ども2人が父母と同居することになりました。
コロナが流行り始めていた時期に突然同居が決まり、母は「こんな時期じゃなくても…」とあまり乗り気ではありませんでした。

父はその時まだ元気でした。
同居が決まったので家のリフォームや片付けに奔走するようになりました。
キッチンやトイレのリフォーム、外壁塗装なども行ない、家をきれいにして兄家族を迎えることになります。

リフォームもそうですが、家の掃除や粗大ごみを捨てたりして、父も疲れがたまっていたのか、同居を始める少し前から体調が悪くなっていきました。
同居してからは寝たきりになることも多く、入退院を繰り返し、すぐに亡くなってしまいました。
同居するにしても、もう少しゆっくり進めていたら父も体を壊さなかったんじゃないかと妹と話したりもしました。

父が亡くなってしばらくすると、母の体調も悪くなってきました。
母はもともと肺が悪かったのですが、さらに悪化して鼻にチューブをつけて酸素を吸入しながら生活しなければならなくなりました。
まだ現在は母も自分で動くことはできますが、だんだんと介護が必要になってきたということです。
同居が始まってから現在まで父の死を挟んで、まだ3年経っていません。

兄の要求

去年の年末あたりに、兄から母の現金Aの相続について話がしたいということで、二人で話し合いをすることになりました。

いろいろ話をしましたが、結論としては「親の面倒を見る代わりに金をよこせ」ということを言いたいようでした。
具体的にはAの半分をもらいたい、ということでした。

ちょっとびっくりしてしまいました。
そもそも両親と同居することを前提として、一番価値の高いBを譲り受けたと思っていたからです。
兄が相続するBとわたしが相続するCの差額は2,700万円です。
その2,700万円が両親の世話をする対価だとわたしは思っていました。

Aの半分というと4,200万円です。
兄はその他にBの4,800万円も相続します。
その家のリフォーム等にも両親が兄家族を迎える時にかなりお金をかけています。
合計すると9,000万円+αです。

兄にAの半分を譲るとすると、わたしはAの1/4の2,100万円とCの2,100万円で計4,200万円。
妹はAの1/4の2,100万円とDの200万円で計2,300万円です。

話を聞いた時に、ちょっと兄の配分が大きすぎるのではないか?と感じました。
いちおう、Aの半分を兄が受け取るのは多すぎると伝えてはおきました。

兄は、どれだけの犠牲を払って自分たちが両親と同居することになったかを説明し始めました。
関西圏に土地と家を購入していた兄は、それらを売って損をしてまでこちらにやって来た。
妻は両親の世話もあるので、仕事をやめて家事をしている。
兄自身も出世の道をあきらめてこちらの土地に来た。
子どもも慣れ親しんだ学校が変わって精神的な負担になった。
そもそも長男だからと言って家を継がなければいけないという時代ではない。

こういったことを説明し始めましたが、正直言いまして同居は兄自身が決めて始めたことで、わたしと妹には何も相談はありませんでした。
勝手に始めたことで自分だけが犠牲になっていると騒ぎ出すのも理解できません。
単にどれだけ犠牲を払ったかという話をして、相続を有利に進めたいのでしょう。

もともと兄が関西圏に土地と家を買っていた時点で、両親は同居をあきらめていた節もありました。
また、それらを犠牲というのであれば、そこまで犠牲を払って同居しなければならないという状況でもありませんでした。
もともとわたしたち家族が両親の近くに住んでおり、週に一回は様子を見に行ったりしていたわけですから。

同居しなければしないで、他に方法はあったと思います。
どうしても兄夫婦が両親と同居したくないのであれば、わたしたちが両親の世話をするとか、それも無理そうであれば、両親を施設に入れるということを検討しても良かったかもしれません。
実際に、父が亡くなった後、母は「施設に入ろうかと思っている」とわたしに話したこともありました。

妹を相続から外す?

さらによくわからないのは、兄は「妹には現金Aの相続はしなくてもいいんじゃないかと思っている」とわたしに話していたことです。
妹はすでに嫁いで別の県で暮らしています。
わたしたちとは姓が変わって、別の家に嫁いだのだから、今回の相続から外してもいいんじゃないか、ということでした。
だから、今回もわたしと二人で話をしたというわけです。

わたしは、当然妹も相続を受ける権利を持っていると思っていますし、話し合いにも参加するべきだと思っています。

年末の二人での話し合いの時には、このような話になるとは思っていませんでしたので、二人で話すことに同意しました。
その後、年が開けて、兄から相続の話の続きがしたいと言ってきています。

わたしは、次の話し合いの時にはもう少し考えを整理してから臨みたいと思っていますので、弁護士など専門家に相談してみようと思っています。

また、妹にも兄の考えについて伝えておいた方がいいと思っていますし、次の話し合いには妹も参加するのが筋だとも思っています。

相続問題については、市で紹介してくれる弁護士と無料相談ができるようなので、まずはそこから進めてみようと思っています。

法人化?

子どもの頃から兄はわたしや妹を利用して、自分だけが得をしようと考えをめぐらすような人でした。
なんとか言いくるめて得をしようという意図が見え見えなのです。
ですから基本的に、わたしは妹は信用していますが、兄は信用していません。

そういえば、兄はこんな提案もしてきました。
相続税対策のために、法人化しようという提案です。

Aを元手に会社を作って法人化することで、Aは会社のお金となり相続税はかかりません。
法人税はかかりますが、利益と損失をトントンにすることで、法人税を少なくすれば結果的に得をするということです。

たとえば、Aを元手に優良株を購入して、配当金を受取り資産を増やして行く、というようなことを言っていました。
そして、家族を社員にすれば給料を経費で落とせます。
それぞれの家族で旅行をして社員旅行ということにしたり、食事会その他も経費で落とせますから、結果的に法人税を低くできます。
まぁ、それはそれで良いとは思いますが、兄の意図は別のところにあるとわたしは思っています。

先ほども言いましたが、兄には子どもが3人います。
わたしには子どもが1人います。
妹には子どもはいません。

現金Aを相続する場合、法的には兄弟で原則1/3ずつです。
しかし、それをまとめてしまって会社を作って法人化すれば、わたしたち兄弟が死んだあとはどうなるでしょうか?

妹夫婦は子どもがいないので、死んでしまえばそれっきりです。
あとは会社を存続させるとしても、使える経費は子ども4人で1/4ずつになってしまうでしょう。
たとえば1年に使える経費を120万円とすると、実際には、わたしの子どもが60万円、兄の子どもがそれぞれ20万円ずつというのが正しい分け方だと思いますが、実際にはなかなかそんなふうにはなりにくいでしょう。
120万円を4人で均等に30万円ずつ経費で使う、ということになると思います。
つまり、現時点で1/3ずつ分けるよりも、法人化すれば将来的に兄の子どもへの配分が多くなるという計算です。

考えすぎかもしれませんが、こういうことを考えるのが兄なのです。
わたしとしては、兄弟なのだから腹を割って話せばいいと思うのですが、駆け引きをしながら話をしてくる兄が面倒で仕方ありません。

そんなわけで、次の話し合いのことを思うとちょっと憂うつなのですが、まずは専門家に相談して、妹にも事情を話そうと思っています。

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